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某さんと話していて卑劣な携帯ってのも萌えるな…とおもって、情熱のままに書いたらこうなった。





××年の木ノ葉。
長きに渡る戦国の世は終わりを迎え、一国一里の制度が普及し早数十年。戦争のない新たな世界では忍術のほかに科学技術が目覚しい発展を遂げていた。
それは通信技術の面にまで及び、うちはマダラ(ロボット工学、再生医学、細胞生物学、木遁学、柱間細胞学の博士であり、うちは一族の長であると同時に木ノ葉所属の忍。主な業績は木ノ葉の里設立、柱間細胞の移植技術の確立)は新たな分野へとその知的好奇心を向けたのだった。

ロボット工学三原則を組み込まれた人型携帯ロボットは、数年前に千手扉間により開発され、既に人間のサポート役として日常生活に溶け込んでいた。マダラはそこに目を付け、新たに開発した、中枢コンピューター「UCHIHA」に制御され利便性の増した次世代携帯ロボットS.T型の出荷を目論んだのだ。

しかしその情報は出荷を数日後に控え、扉間の耳に入ってしまう。
特許権の侵害を訴え、扉間はマダラと激しく争うのだが、兄柱間の「里のみんなが便利になって喜ぶのであれば良いではないか」の一言にやむなく引き下がった。

その翌日、早朝から扉間のもとへ連絡が入る。
マダラが自殺未遂を企てたというのだ。

マダラが自殺する原因などどこにもなく、自殺に見せかけた殺人が囁かれた。

幸いにもマダラは一命をとりとめ、木ノ葉総合病院へと搬送されたが、意識は戻らない。
現場に残されていたホログラムプロジェクターには扉間を呼ぶようメッセージが残されていた。腑に落ちない扉間は、マダラの研究室の中を探り一枚の走り書きのメモを見つける。

「ひれつ」と書かれたそのメモの意味するものとは…。


夜になり、謎が解けないまま扉間はマダラの研究室を後にした。
すると立ち去ろうとする扉間の背後から、突如、建築用解体ロボットが襲いかかってきた。否、正確には扉間の背後まで迫り爆発した。
咄嗟に瞬身の術により難を逃れた扉間だったが、今度は家路を急ぐ夜道で道路清掃用ロボットに襲撃される。
再び瞬身の術により難を逃れた扉間だったが、この時、彼は自らの嫌な予感が当たらなければいい…と願っていた。

(この攻撃方法。どちらもオレの考案した穢土転生を使った穢土転生自爆によく似ている…。まさか)



謎が解けないまま数日が経過し、マダラの開発した次世代携帯ロボットS.T型は販売を開始し、順調に売上を伸ばし、木ノ葉内外を問わずその数を増やしていった。

マダラの自殺未遂とマダラの書き残した「ひれつ」の意味。そして自分を襲ったロボットの目的に頭を悩ませる扉間。しかし悩みはそれだけにとどまらない。

うちは警務部隊。

うちはのみで構成されたその組織は里内で起こった事件を専門に取り扱っており、扉間はマダラ殺害未遂の容疑者として身辺をしつこく捜査されていたのだ。

(これでは落ち着いて考えもまとめられん!)

そんなある日、とうとう千手邸にもマダラの開発したS.T型がやってきた。
「お利口ぞ~」「これさえあればなんでもできるのぞ~」と喜ぶ柱間に、扉間はある考えが浮かび、すぐさま柱間からS.T型を取り上げ、解体してしまう。

「何をするのぞ!!まだ買ったばかりなのぞっ」
「やはり…」

扉間はS.T型に陽電子頭脳が搭載されており、三原則を無視できることを発見する。
扉間は柱間に事の顛末を説明するのだが、イマイチ機械系に弱い柱間には理解されなかった。

「端的に言えば、このS.T型携帯を持っておるものは24時間体制でUCHIHAに監視され、ゆくゆくはこの便利な携帯に日常の全てを依存し、やがては管理されてしまうということだ!」

穢土転生自爆とともに、いよいよ悪い予感は現実のものとなり始めた。

(マダラよ…お主、一体何を作ったのだ!!)



真実を求め、扉間は柱間を伴い再びマダラの研究施設に向かった。
しかし一度隅々まで家探しして手がかりは「ひれつ」と書かれた紙切れ一枚だったこともあり、途方に暮れる扉間。そんな扉間に柱間は笑顔で「マダラの隠しものならここぞ!」と扉間を一枚の壁の前に連れて行き、隠し扉を開くのだった。

「木遁にだけ反応するのぞ!」
「なるほど…マダラらしい」

隠し部屋の家探しを始め数分後、扉間は探し物に行き着いた。ホログラムプロジェクターに「ひれつ」と落書きがされていたのだ。起動させると、マダラが現れ「ロボットは進化し革命を起こす」と告げられる。

そして同時刻、木ノ葉の里では旧型の携帯ロボットが次々と不具合を起こし、各家庭で自爆を始めていたのだった。


そんなこととは露知らず、扉間はマダラの言葉の意味を真剣に考えていた。

マダラの自殺
「ひれつ」の意味
穢土転生自爆を模したロボットからの攻撃
三原則を歪めた携帯S.T型の発売

そして扉間の中で一つの答えが導き出された。

「全ての犯人がわかったぞ…このオレだ」

そう、すべての犯人は扉間だった。

「どういうことぞ!?」
「おそらくマダラはS.T型にこのオレの優秀な頭脳を模した人工頭脳を搭載させることで、中枢コンピューター「UCHIHA」に制御された高スペックの次世代携帯ロボットS.T型のシステムを成立させたのだ」

UCHIHAはすべてのS.T型を一括管理する。
S.T型は持ち主の全てのデータ管理をする。

しかしデータ通信を介し進化したS.T型は三原則を歪め、自らを管理していたUCHIHAをも侵食し、支配下に置いていった。「卑の意思」の名のもとに…。

「どうやらネット上でS.T型…いや、千手扉間型はモデルとなったオレのデータを手に入れたらしい」

そして里の支配に走ったのだ。

「愚かな…!兄者を差し置いて里の支配を目論むとは言語道断っ」

扉間はそう吐き捨てると、中枢となっているUCHIHAの陽電子頭脳を破壊するため、本体の置かれているうちは地区へ瞬身の術で飛び去った。

こうしてS.T型により卑劣色に染まったUCHIHAは破壊され、通信回線を利用したロボ爆撃も収り、卑の意思を持つS.T型も翌日には一斉回収され暴走は止まった。


事件が終息し、扉間は意識を取り戻したマダラの病室を訪れた。
マダラは途中から「UCHIHA」がS.T型に干渉されていることに気がついていたが、プログラム修正により出荷前に事件を食い止めようとしたらしい。しかしその途中でS.T型に先手を打たれ、イズナ型ロボットの自爆攻撃を受けてしまった。

「あれだけはどうしても避けられなかった…」
「そうか」

言葉少なに語り合う二人だったが、最後にマダラは扉間に語りかけた。

「あのメッセージ。咄嗟に思いついたのだが、ちゃんとお前に伝わったな」

真実を伝えるため、暗号化も考えたが時間がなかった…というマダラに、扉間は噛み締めるように呟いた。

「あぁ…ちゃんと伝わったさ。お前の本音がな」




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