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柱間、誕生日おめでとう。+゜*。(*´∀`*)。+゜*。
今日は柱間の誕生日だ。
まぁ、だからどうというわけでもないが、せっかくだからあいつの好きなキノコ雑炊でも作って食わせてやるか…。
(それにはまずキノコだな!)
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…というわけで、早速、山にキノコ狩りにきたのだが。
(さて、どうしたものか…)
ホテイシメジは基本的には天日で乾燥後、ダシを取るなどして利用するキノコだ。
他にも和え物などにしても美味しいとされているのだが、その一方でこんな特徴もある。
体のアルコールを分解する酵素を一時的に奪う成分を含むキノコなのだ。
つまり、アルコールを飲む前、または飲んだ後、24時間以内にホテイシメジを食べると動悸、頭痛、発疹などの急性アルコール中毒の症状がでるとされており、十分な注意が必要である。
「ま…柱間なら大丈夫だろう」
今晩あたり柱間に食わせれば、酒に酔わないアイツでも多少は酔っ払うはずだ。
今夜が楽しみだなぁ…柱間ァア(フルフルニィイイ
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持ってきたカゴに12種類ほどキノコを詰め込み、「さて帰るか…」と立ち上がり視線を上げた先。とんでもないものを見つけてしまった!!
(まだ日も高いというのに、なんという卑猥な…っ)
しかも思わず手に取ってしまった。俺は欲求不満なのか…?
(柱間のはもっと太いな…)
むしった以上、持ち帰るより他あるまい。多少期待はずれ感はあるが、これも柱間にやるとする。
スッポンタケか…見れば見るほど卑猥だ(トゥクン
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なんだかんだでその後もキノコを採り16種類も採ってきてしまった…。別に柱間を祝うつもりなどないのに!!
そうは言いつつも、キノコ狩りの後、その足で千手邸に出向いた俺は台所を借り、早速料理を始めるのだった。
「まさにキノコ鍋だな。米も入らぬ有様だ…」
16種類のキノコを鍋に詰め込んだ段階で米が入らなくなってしまった。とはいえ、やはりキノコだけでは味が悪かろう。
俺は自宅から持ってきた肉をまな板の上に載せた。
「肉くらいは入れてやらねばならんだろう…悪く思うなよ」
これを捌いてキノコと煮込めば、キノコ汁になる。米が入らなかったため雑炊にはならないが、柱間も喜ぶだろう。
とはいえ、少しばかり胸は痛む。だが、やるしかあるまい…!
俺は握った包丁を…
「ヤメェエエーーーーイ!!何をしておるのぞマダラッ」
「うるさいぞ柱間。何…とはなんだ?お前のために肉を用意してやろうと…」
「キノコだけでいい!!それは開放してやってくれっ」
「…そうか?」
俺がまな板の上で押さえつけていたウサギを奪い取り、柱間は庇うように懐へとしまいこんだ。このまま逃がしてやるらしい。お優しいことだ。
仕方なく俺は柱間の希望通り、肉なしキノコ汁を作ってやった。
そして忘れてはならない、ホテイシメジ!
手早く和物にして皿に盛り付けてやる。
(楽しみだなぁ…柱間ァア)フルフルニィイイ
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(おかしい…!!どうなっている!?仕事しろホテイシメジ!!)
上機嫌でキノコ汁と和物を口にする柱間に俺は焦った。…というより驚いた。
柱間の様子はいつものそれと全く大差なかったのだ。
まさか俺が採ってきたのはホテイシメジではなく、別の何かだったのか?
俺の中の疑問は膨れ上がり、とうとう俺は恐る恐る自分の作った和え物に手を伸ばした。
もちろん、それ以降の記憶はない。
あれは確かにホテイシメジだったのだ。
薄れゆく意識の向こうで、柱間が微笑んでいたことだけは覚えている。
「ありがとうマダラ!最高の誕生日ぞっ」
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