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いつかマダラちゃんにも過去を許せる日がきたらよかったね(。´A`)そんな日が近くに来てるお話。
火影の執務室を出て直ぐの窓から外を見ていた。
子供達と笑い合っている扉間を…見つめていた。
里で初めての冬を迎える頃になり、俺は「いつか過去を許せる日がくればいいのに」と思うようになった。
「弟が生きていたら…」ではなく「過去を許せたら」と、思うようになった。
それが弟や死んでいった一族の者たちへの裏切りになるのか、その判別すらつかなくなるほど、里は仮初の平和に満ち、俺は柱間とともに生きていけるこの里で、過去を許し生きていけたら…と思うようになった。
だが俺は本当に過去を許せるのだろうか…。
柱間と初めて出会った日のことは今でも鮮明に覚えている。共に過ごした時間とともに、今でもそれは俺の心の一番深い場所を占めている。
だが幾つもの季節を通り抜け、俺たちは争いの中で互いに大切なものを失った。
俺は失ったものを忘れることはないだろう。
(扉間を許し、柱間と笑いあう…そんな未来は俺には眩しすぎる…)
マダラはそっと自分の胸に手を当てた。
目を閉じれば柱間と共に過ごした日々が蘇る。出会いと別れ、激闘の日々、そしてこの里での出来事。
分かり合えずすれ違った日々も、涙の日も笑顔に包まれた日も、すべてはこの胸の中にある。
今はそれでいい。それだけで…。
やがて雪が溶け、新芽が芽吹くように、俺の中にも緩やかな変化が訪れるはずだ。
(この里にいれば。お前の隣にいれば…なぁ、そうだろ柱間?)
俺はお前を信じても、いいんだよな?
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