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うだるような暑さの中、マダラがバッサリと髪を切って執務室にやってきた。
見知らぬ誰かを見るような、驚きと戸惑いに固まるオレを置き去りに、兄者は瞳を細め笑みを浮かべる。

「おぉ…懐かしい姿になったの、マダラ」
「うるせぇよ。クソ…ここまで短く切るつもりなんてなかったのに、ヒカクのやつ!」

だらだらと伸ばした纏まりのない自由奔放な髪から解放されたマダラは、どこか幼く見えた。照れ隠しなのか剥き出しになった白い首筋を撫でながら悪態をつく姿さえ、どこか少年めいていて、実年齢とのアンバランスさにオレはくらくらした。
だがそんな新鮮なマダラの姿も、兄者にとっては懐かしい姿らしい。

あぁ、兄者はオレの知らないマダラを知っているのだ…。

オレを置き去りにし弾みだす二人の会話に、胸の痛みを覚え、オレはそっとマダラから視線を外すのだった。

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