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「なんでアンタら無罪放免なんだよ。おかしくね?あれだけのことしといてよぉ…」
「何言ってるんですか?私たち公務員ですよ?」

所属はどうあれ一貫して公務員でしたよ。
後ろ盾のない半ニートな貴方と違って、私なんて500年も前から国家権力の名の下に任務を遂行していたんですよ?

「つまりすべては国の方針であり、執行した自分たちが罪に問われることはない…と」
「そうです。私も朧も地位も名誉も、貯蓄もある元公務員です」にこっ
「どこまでもついて行かせてください松陽先生!!!」
「ふふ…すっかりダメな大人の仲間入りしてますね、銀時。ほら、今月の家賃代ですよ」

「先生…銀時にたかられています…」

…ということで、巨大悪虚様とアルタナ保全協会を倒し、再び地球に平和を取り戻した銀さんの元に、松陽先生(死んでなかったよ!)が戻ってきたよ!
おまけで朧さん(これまた死んでなかったよ~)も付いてきたよ!
よかったね!!

な、お話の始まりはじまり~






※作品紹介欄にこのお話の大切な部分が明記されております。未読の方はご一読のうえ、お楽しみください
※基本、朧さんは「弟弟子」はスキでも、「白夜叉」はキライです。


「お帰り、先生!」

オレの名は坂田銀時。
かぶき町で万事屋を開いている何でも屋だ。メンバーは新八・神楽・定春にオレの計三人と一匹。
事務所兼住宅は築十数年で、家賃は6万。
仕事の内容から収入は不安定だが、大食らいのバカ娘とバカ犬を養っていける程度には稼いでいる。
こう見えて、結構あくせく働いているんだぜ…先生。

胸張って言えるような大層なことはしてねぇが、それでもお天道様に顔向けできねぇような事もしてねぇ。
だから、アンタさえ嫌じゃなかったらさ…

「オレんとこ来ないか?」
「いいんですか?」

「アンタにはまだ『親孝行』してねぇだろ。『師匠孝行』って言った方がいいのか、この場合」
「銀時…っ」

…というワケで、オレの家にまた家族が一人増えることになった。

「おかえり…松陽」
「はい。ただいま、銀時」

昔と同じ笑顔でオレに微笑む松陽はあの頃と全く変わらず、まるで時が巻き戻ったような気がした。

(アンタには話したいことや聞いてもらいたいことがたいっぱいあるんだ。いっぱい、いっぱい…っ)


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

「ここが今日からアンタの家な!」

「ほう…ここが銀時の今の棲家ですか」
「まぁな〜。下は汚ねぇスナックだけど気にすんな」

オレの説明を聞き、万事屋の入っている二階を見上げた松陽は、早速とばかりに疑問を投げつけてきた。

「でもなぜ『万事屋』なんです?『万屋』ではなく…」
「そりゃアレだよ、万の事をやる店にしたかったんだよ」
「なるほど。貴方らしいですね。ふふ」

万事屋の由来を語ったのは、実は松陽が初めてだ。

松陽は覚えてないかもしれないが、松下村塾の看板を書いてるとき、いってたよな?「名前にはそれぞれ意味があるんですよ」ってさ。
だからオレなりに考えて「万事屋」にしたんだぜ。

まぁ、オレも照れくせぇから、そんなこと口に出してはいわねーけど。

いわねーけど、でも、一つだけ言っていいかな??

「あの…なんでお前がココにいんの?呼んでないんだけど!?」
「先生が行くというのなら、俺はどこであろうとついてゆく…。例え貴様の家だったとしてもな」
「なにその不本意そうな言い方!!呼んでないよ?帰れよ、お前の面倒なんてオレはみねぇぞっ」

せっかく神楽や新八が親子水入らず(ってか、親子じゃねよ!!)の方がいいだろうって、らしくもなく気ィ遣ったってのに、台無しだよ!お前のせいで台無しだよ!!

「銀時、そんなこと言わないでください。私と同じように、朧にも帰る場所がないのです」

それに私は、もうこの子に悲しい思いをさせたくないんです。と続けた松陽の言葉に絆されるほど甘いオレではない。こっちとら生活カッツンカッツンのところをだな、師匠であり育ての親でもあるから、引き取ったわけであって…

「家賃は私が全額持ちますし…」
「!!」

その言葉にオレが敬愛すべき兄弟子を歓待で迎えたことは言うまでもない。

「おかえり兄弟子!ようこそ我が家へ!」


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

「だから親子じゃねーって!!」

松陽がウチにきて3日目。
実入りの悪い万事屋という仕事を哀れに思ったのか、それとも親心ってやつか、松陽のやつが新しい万事屋の看板を一枚板にさらさらり…と書いてくれた。

『よろず商い中』

相変わらず達筆である。しかも何だか感じがいい。
看板は大切ってゆーけど、こういうことか…。なんか女性客とか、マトモな仕事が増えそうな気がする。

宣伝用に…と町に出す看板もいくつか作り出す松陽。その隣で看板を覗き込むオレ。
すると突然松陽が妙なことを思い出してくれた。

「そういえば、松下村塾の看板を書くときも、こうやって銀時が横で見ていましたよね。懐かしい…」
「そうだったっけ?」
「そうですよ〜」

オレの記憶にその辺りのことは残されていない。首を捻り「そうだったか?」と考え込むオレに、とうとう変なところから声がかかった。

「なんか…松陽さんと銀さんって親子みたいですね」
「親子ってゆーか、母子ネ」

「はぁ!??フザケンナ!誰が母子だ、こんな母親持った覚えねーよ!変なこと言うなッ」

ほんと頼むから変なこと言うなよ!!
朧のやつがスッゲー目でオレを睨んでくるからッ
誤解だから!
ほんと誤解だからッ

全然そーゆーんじゃないから、オレたち!!

「白夜叉シネ…」
「やめろよぉおおおおーーーー!!!」


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

「予約とか勝手にしないで。ホントそういう優しさいらないから!!」

「あれ…銀時ちょっと太りました?顔のラインが昨日よりふくよかになったような…。しかも片方だけ」

虫歯になった。
前からおかしいなぁ~とは思ってたのだが、完全に虫歯だわコレ。いつぞやのようにホッペ腫れまくってるもの…。
でもそんなこと松陽にいっても「抜けばまた生えてきますよ(ニコッ」てされるのがオチだってわかってるから黙っておく。
アルタナの力は歯も無限再生の対象らしいからな…ははは。

そもそもオレは歯医者なんて大っ嫌いなんだよ。松陽は知らねぇだろうが、昔っから歯医者では泣き叫んでいたのだ。

だいだい、こういうものは人に言われて行くもんじゃねーしな。
テメェで覚悟決めてから行くモンだしな。

「先生、どうやら白夜叉は虫歯のようですね」
「虫歯?」
「はい、歯の硬い組織が口腔内の細菌の作用による食べかすの発酵で溶解し、破壊された状態です。よって、歯医者へいき治療する必要があります」

おい、ちょっとまてぇええええーーー!!!!

「病院に行く必要があるんですか。なら、早い方がいいですね、予約しましょう!」

そして切られた歯科医院への片道切符。
しかも今日の午後一で空きがあるとか、どんな拷問だよ!!

「早く行ってきなさい、ホラ」
「なんでそーゆー余計なことすんだよォオオオ!!頼んでねーよ!もうガキじゃねーんだからほっといてくれよッ」

親切に金まで渡してくる松陽。

「頼む、今日は勘弁してくれ。せめて明日にしてくれ!それまでに覚悟決めるからッ」

オレの叫びも虚しく力ずくで玄関へと押し出され、靴を履かされ(ガキじゃねぇって!!)松陽に見送られるオレ。
そんなオレに松陽と同じく見送りに来ていた朧が一言。

「グッドラック。もう二度と戻ってくるな白夜叉」
「朧テメーふざけんな!!!」

「銀時、早くしないと午後の診療始まっちゃいますよっ」

ゼッテー許さねぇ、クソ朧ぉおおお!!!


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

「おい…ちょっと待てよ。なに勝手に親しくなってんの!??」

その言葉は夕飯の席で突然発された。
よりによって松陽の口から!

「十四郎くんって、銀時にそっくりですね」
「はぁ!?何いってんの、とうとうボケたの??」

松陽の口からオレの天敵の名前が出たことで、オレは飲んでいた茄子の味噌汁を噴出してしまった。よりによって正面にいた朧にむかって…である。
しかし今はそんなことはどうでもいい!

「十四郎くん」ってなに!??
なんで「土方」じゃなくて「十四郎」!?

オレの動揺をよそに、まるでオレの親しい友の話でもするかのような気安さで松陽はなおも口を開いてくる。

「ボケてません。十四郎くんと話していて思考が銀時に似てるなぁ…って思ったんです」
「ねぇ…『十四郎くん』ってなに!?何があったの二人の間に!そんなに親しいの!??」

ねぇお願い!誰か教えてッ


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

「はじめまして。銀時がいつもお世話になっています」

新八に買い出しを頼まれた私は、銀ちゃんの育ての親で師匠だったという「松陽先生」とスーパーに買い出しに行ってたアル。
しかし地球人というのは不思議なものネ。

(これがあの「虚」と同一人物だったアルカ…)

「松陽先生」は優しいし、いい匂いがするし、お菓子買ってくれるし、ご飯もいっぱい食べさせてくれるし、これが銀ちゃんの育ての親だというのだから羨ましい限りアル。それに比べて銀ちゃんときたら…。
そんなことを考えていると公園に面した道路でバッタリ一人の男に遭遇した。

「あれ?神楽ちゃんじゃないか~。今日は銀さんと一緒じゃないの?隣の美人さんだれ?もしかして銀さんの恋人とかじゃないよね!!?」

まぁマダオの言わんとすることも分かるアル。
この顔にこの笑顔にこの雰囲気では、胸のない女といってもさして違和感ナシネ。

しかしこのクソ暑い中、そうそうマダオの立ち話にも付き合っていられナイネ。
ということで、「松陽先生」に銀ちゃんの友人をサッサと紹介して帰路につこうとしたのだが…

「これは『マダオ』アル」
「マダオさんですか。変わったお名前ですね、天人の方でしょうか?」

「いえいえ地球人です。本名は長谷川泰三ですよ〜、奥さん」

時が止まったネ。
凍り付いたように止まったのを私は感じたネ。
マダオは「松陽先生」に一発かまされ路上にダウン。

「つい手が…」
「気にすることナイネ。マダオはいつもズタボロアル」
「そうなんですか」

何とも言えない顔をして倒れ込んだマダオを見ている「松陽先生」。

先生、それが銀ちゃんの本物の友達ネ。
AV貸し借りするし、猥談するし、酒も一緒に飲むし、ガチで仲良しヨ。

まぁ、そんなコト私は云わないケド…。


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