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赤字続きの千手家に、うちは兄弟が転がり込んだ。
一人はヒキニート、一人はライバル。

平穏な日常を脅かされた扉間の運命は…!





【兄者とマダラはどこか似ている】

前々から思っていたが、兄者とマダラはどこか似ている。
そもそも全く似ていない者同士が共通の話題をみつけ意気投合するなど不可能なのだ。

「誰もいないのに家のドアがとじたりしまったりしています。なぜでしょうか?」

唐突に夕飯の席で始まったオレの話に、兄者とマダラは似たような反応を示してくる。

「こわいからやめろよ!」
「怪奇現象ぞ!」

(やはり似ている…)

しかしオレの観察の邪魔をするように、沢庵を食べていたイズナが一言。

「…それ、どっちも閉じてるけどいいの?」
「鋭いな、やはり気付いたか」

「扉間ぁあああ!!!無駄にビビらせやがって!!」
「卑怯ぞ!いまのは分からんのぞ!!」

やはり兄者とマダラは似ている。

(直情型で単純な上にバカだ…)


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

【感知できないものは存在しない】

「扉間は子供の頃からお化けも幽霊も怖がらなかったんぞ!」
「マジかよ…。便所にも一人で行けたのか?」
「余裕ぞ!」

夕飯の席で扉間にバカにされて以来、なんとか復讐の機会を伺っていたのだが、できれば同じようなネタで意趣返しがしたいと望む俺に、柱間は「それは不可能ぞ…」と首を振った。

「あれは忘れもしない、扉間が10歳の頃のことぞ…」
「10歳といえば戦場に出ていた頃だな」



「あそこの木の影に幽霊ぞ…」
「安心しろ、感知したが何も感じん。幻覚だ」

「扉間、おぬし見えておらんのか!?」
「いや、見えている。襦袢姿の髪の長い女だろう?」

「見えるのに気配がない…、つまり完璧幽霊ぞ!?」
「幻覚だろう」

「ほら、何もない」
「扉間ぁあああ!!!抱きつかれてる!だきつか…ゲフッ」
「兄者!?兄者しっかりしろーーー」


「なんの疑いもなく真顔で幽霊を触りに行く子供の頃の扉間は、それ自体がホラーのような存在だったんぞ…」
「何やってんだアイツ…」


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

【柱間さんの実力】

我が物顔で柱間さんの部屋に出入りする兄さんに連れられて、初めて入った柱間さんの部屋。そこには僕が知らない映画がたくさんあった。

「わーすごい、なにこれ!」

『ダースベイダー』
「なにこれ、ダースベイダーが主役の映画なんてあったの!?」
「それはスターウォーズのことだ」

『スタンバイ』
「…聞いたことないな。新作映画??」
「スタンドバイミーだ」

この辺りからおかしいと思ったよね。
さすがに、変だよね!?なにそのセンス!
でもさすがは柱間だよ、恐れ入ったね…。

『ミッションインポ』
「これは…見なかったことにする。柱間のヤツも、こんなモノ見るんだね」
「それはミッションインポッシブルな」
「!!?」

ひゃ!!ってなったよね。
気まずくて兄さんの顔見られなかったよね!!

まるで僕がAVみてたみたいな気分になった。居た堪れない…


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

【止めろよ!!】

珍しく家に誰もいない昼下がり。久々の休日を自宅の居間で居候と二人、茶菓子などを食べて過ごしていたのだが、マダラのやつが神妙な面持ちで妙なことを言ってきた。

「菓子と一緒に入ってるコレなんだが…」
「乾燥剤がどうした?」

「これ食わないのか?」
「当たり前だろ…」

何を言い出すのかと呆れながら話を聞いてみれば、

「こないだな、柱間が食ってたんだよ…。千手の連中はみんな食うのかと思って黙って見てたんだが、やっぱ食わねぇよな、さすがに」
「止めろよ!!!」

驚きすぎて的確なツッコミしかできなかった。
なに食ってんだ兄者ぁあああ!!!

この後、オレが兄者の腹を抉るように殴ったのは言うまでもない。

「もう時効ぞ!?もう消化済みぞ!!」
「黙れ兄者!そういう問題ではないッ」


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

【小姑が通りますよ】

夕飯の準備を始めたマダラが、割烹着を着込みながら兄者に声をかけている。

「今夜は唐揚げにしようと思うんだが、肉に片栗粉つけるまえに何かつけるものあるか?」

すると兄者は無駄に気合の入った顔で「気をつけろよ!」と返す。

「柱間ぁあああ!!!」
「マダラが火傷でもしたら大変ぞ、ガハハハ」

イラッときたオレが思わず二人を引き離すのに1秒もかからなかった。

「離れろッ」

「ぬ!?瞬神の術ぞ!」
「卑劣な…っ」


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

【我が家の三馬鹿トリオ】

マダラが「飯をおごってやる」というので、オレが知っている中で最も高い店をリクエストして連れて行った。

鉄板焼の店だ。

店員に「お肉はどのように焼きましょう?」と尋ねられ、マダラは「死なない程度にたのむ」と答えた。
これを聞いたイズナは急にヤル気をだし「じゃあ僕は、野性的に激しく、かつ哀れみを持って!」と元気に無茶苦茶なオーダーをし始めた。
それに触発された兄者が極めつけの一言を…。

「では俺は生で頼もう!」

「扉間はどうするの?」
「俺の奢りだからな、遠慮するなよ」

恥ずかし過ぎて、もう二度とこの店には入れないと思った…。
三馬鹿トリオめ!!

(くそっ)


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

【うちはの本気】

イズナがマダラと共に転がり込んできてから、オレはよくイズナと喧嘩している。そして今日も例にもれずイズナと喧嘩してしまった。
あまりに腹が立ったため、持ち帰った仕事もそのままに眠りについたのだが、明け方、起きて厠へ行って全身から血の気が引いた。

オレのムスコに油性マジックで『あやまれ』と書かれてたのだ…!
マトモじゃない!!

(これがうちはの力かッ)

『貴様の愚息なんてどうにでも出来るんだぞ』というイズナからの脅しのメッセージだと思い、恐怖のあまりイズナを叩き起こして謝罪した。

「オレがわるかった!!」
「いま何時だと思ってんだよっ」

殴られた…。


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

【サルとオレ①】

「マダラ様が居候してるなんて、大変ですね先生」
「そうでもない。気分を明るくして現実から目をそらせば、そこまでの恐怖も苦痛も感じないことに最近気が付いた」


「先生、なん徹目ですか!!!寝てくださいっ」


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

【冬の出来事】

ところどころ凍った道を歩いていたら、滑って転んで兄さんを巻き込んてしまった。
兄さんは近くにいた扉間に手を伸ばし一瞬体勢を立て直したのだが、直ぐに足元の氷に滑り、トドメとばかりに扉間にエルボードロップをかまし、二人仲良く倒れてしまった。

「怪我はないかイズナ?」

倒れこんだ体勢のまま兄さんは僕に笑いかける。僕は昔から兄さんのこういう優しいところが大好きだ。

「ごめんね兄さん、巻き込んじゃって」
「気にするな。お前が無事ならそれでいい」
「えへへっ」

「いい加減オレの心配をしろ!!!死ぬかと思ったぞッ」


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

【麻雀】

オレと兄者。そして居候二人を合わせて麻雀を始めたのだが、なぜか兄者が「にゃー」と鳴くので首を捻っていたらマダラの仕業だった…!

曰く、兄者の鉄火場通いの回数を減らすために自宅でできる賭け麻雀を教えたのだそうだ。

「とりあえず配牌を見たら対々が早そうだし簡単だと思って、既に教えてあったポンを実行させようとしたんだがな…」

『柱間、それ鳴け』
『…?…にゃーぞ?』

「以来、柱間は『にゃー』なのだ。可愛いだろっ」

フルフルニィイイイしながらそんな事を言われてもドン引くしかない。

「兄者!『にゃー』ではなく『ポン』だ!!『ポン』と鳴けっ」
「扉間ァ…貴様余計な事をッ」

盤外の戦いが始まったのは言うまでもない…。


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

【お魚天国】

何気なく…。本当に、何気なく。オレはイズナのあの唇についての感想を述べた。
今となっては気が狂っていたとしかいいようがない愚行だ。
やつ等に会話など通じないのだから!!

「お前の唇は、いわゆるアヒル口というやつだな」
「なにそれ。僕が鳥類と同列だっていいたいわけ?」

「いや、違う!勘違いするなよ。褒めただけだ、他意はない!落ち着け、話し合おう!その目を仕舞えっ」
「今からお前にお魚天国を見せてやるよ…大好きな川魚の一生でも体験してろ」

「ギャーーーー!!サワガニ怖い、サワガニ怖いっ」
「フン…食われちまえ、稚魚間め」

後のことは、もう、思い出したくない…。
うちはに対するトラウマがまた一つ増えた。


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

【サルとオレ②】

「最近どうですか?」
「そうだな…」


家に一人でいると心が安らぐ
マダラといると落ち着かない
イズナといると命の危険を感じる
三人でいるとたまに逃げだしたくなる

「重症じゃないですか!!!」

先生の精神面が心配でたまりません。
お魚天国ってなんですか先生ぇえええ!!


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

【冤罪】

夜中に目が覚めて、麦茶でも飲もうと思い、冷蔵庫の瓶を手に取りガブ飲みしたら三倍濃縮のそばつゆだった。

デジャビュを感じた…。

「扉間ァアアア…フルフルニィイイイ」

翌朝、扉間がそばつゆを飲んだ犯人を探していて柱間が疑われていた。

「飲んだのか!?これをそのまま飲んだのか、答えろ兄者ッ」
「身に覚えがないんぞ…たぶん、違うと思うのだが…いや、しかし飲んだような飲んでいないような…」

何も言い出せなかった。
すまん、柱間…。


・:*三☆・:*三☆・:*三☆


【卑劣だけど繊細】

一緒に暮らすようになってから(ぶっちゃけ居候なんだけど)僕はよく扉間とぶつかっている。
大抵は些細なことで、でも、元々ライバルだったこともあり大人気ないとは思いつつも突っかかってしまうのだ。
しかも口喧嘩では扉間は僕に勝てないときている!僕が扉間に喧嘩を吹っ掛けるのも致し方ない事といえよう。

ゆえにここ数ヶ月、扉間は僕のサンドバッグと化していたのだが…

「兄者の悪口はいい。だがオレのことは絶対に悪く言うな!」
「は?」

「最近気づいたのだ。お前に罵詈雑言を浴びせられると、自分でも驚くほど傷付くのだ…」
「ねぇ、もしかして泣いてる?ねぇ!!泣いてるの!?」

感知タイプなだけあって、その頑強な肉体に似合わず、扉間はナイーブな卑劣だった。

(マジかよ…っ)

物凄い罪悪感に襲われる僕。

「わかった…。これからは柱間さんの悪口だけにする」
「できたら兄者の悪口もやめてくれ。オレに効く…」

さいあくだ…。
もう誰の悪口も言えなくなった!


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

【人はそれを餌付けという】

ある日、執務室で、兄者が満面の笑みを浮かべながら肉まんを食べていた。
不穏な気配を感じたので、兄者に肉まんの出所を尋ねると「食べたいと思っていたらマダラがくれたのぞ!」という。

食べたいものが食べたい時に出てくるなど、怪しすぎる!

(洗脳か!?)

からくりを解くべく、マダラをしばらく監視していたのだが、驚くべき事実が発覚した。
オレは兄者を情けなく思う!
なんと兄者は寝言で食べたいものを呟いていたのだ!

「せんべい…せんべい…もっと…」

兄者と同衾しているマダラはそれを聞いて、その日の茶受けを用意し差し入れていたらし。

そして今、俺の眼の前で、兄者はせんべいを嬉しそうに食べている。

「兄者!それは餌付けだッ」
「お前の分もあるぞ?」
「マダラめ、すっかり兄嫁気取りか!!」

そして差し入れはオレの小隊にまで及んでいた…。

「マダラ様のイメージちょっと変わりました」
「うちはせんべい美味いですよ。先生もいかがですか?」

「もう食った!!!」

「あ、そうなんですか…」

思わず怒鳴ってしまった。
後でマダラに礼を言っておかねば…。


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

【うちは兄弟の会話】

「なぁ、イズナ。食べると集中力の上がる食材ってなにかあるか?」
「蟹とか?」
「ああ、なるほど…」

二人のやり取りに喉まで出かかった言葉を、オレはミカンとともに必死に飲み込んだ。

多分マダラは摂取することによって集中力が上がる成分の含まれた食材をききたかったのであって、食べることに集中するものを訊ねたわけではないのだ!

(マダラのやつ、イズナにはとことん甘いな…)

「じゃあ柱間に蟹でも食わせてみるかな〜」
「そっちかよ!!」

二度目のツッコミは口から出てしまい、突然会話に乱入した空気の読めない人間みたいな目で二人に見られた。

蟹を食わせても兄者の仕事効率は上がらんぞ!!


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

【酔っ払い】

家計は火の車だが年中行事はやってくる。
例年通り行われた千手の酒盛りに、居候二人もシッカリ顔を出していた。

二人がどの程度飲むのかオレには未知の領域だが、これだけ男が揃えば、逆に人間が二人増えた程度では消費される酒の量にさしたる違いなどない。
酒樽も十二分用意してある。

だが宴もたけなわといったあたりでトラブルが起こった。酔っ払い、千鳥足で厠に向かおうとしていたマダラが、前を開けてゴソゴソしながら「アレェ!?ねぇぞォ?」と叫んだのだ。

「そんな筈あるか、よく探せ!この酔っ払いめっ」

アホらしくて付き合いきれず突き放したのだが、本当にないらしい。酔っ払った千手の男たちが「どれどれ…」と覗きに行こうとするので仕方なくオレが面倒を引き受けることにした。
血の酒盛り祭りになっては困るからな…。

するとマダラの言う通り本当になかった。

「いったいどこで落としたんだ!」
「何にも覚えてねぇ…どこやったっけなぁ」

「財布の管理もマトモにできんのか貴様は!!」


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

【天然だった…】

イズナと仕事帰りに居酒屋へ寄った。
例の一件以来、オレたちは少しだけ仲が良くなったのだ。

店員からの「ご注文は?」という言葉に、面倒だったため「とりあえず熱燗二つ」と応え、つまみに枝豆も頼んだ。
するとイズナも「じゃあ僕も同じので」と機嫌よく応えたのだが…。

運ばれてくる熱燗4本と枝豆4皿。
まぁそうなるだろうな。

「あれー、変なの〜。あははっ」

オレの中でイズナ天然疑惑が浮上し、頭を抱えることとなった。

「どうしたの扉間。頭痛いの?」
「なんでもない…」

もうしばらくコイツ等が我が家に居座るであろうことを、オレはこの時、本能的に予感したのだった。

(この社会不適合者どもめ!!!)


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

【フォースの覚醒?】

兄者が扉を開けっ放しにしたため、部屋にでかいハチが侵入してきた。
やれ殺虫剤だ窓閉めておかないからだと騒いでいたのだが、そんな中、マダラが無言で机の上にあったうちわを手に取り立ち上がった。

「おい、どうするんだ。煽いでも撃退など出来んぞ!」

オレの言葉を無視し、マダラはおもむろにうちわを縦にし、勢いよくハチを叩き切ってみせた。

『フォースの力を信じろ』

いつかのマダラの言葉が、オレの脳内に響き渡った…。
そしてそれは、オレの中でマダラが『マスターマダラ』になった瞬間だった!

「貴様になら、ついて行ってやらんこともない…」
「上から目線だな、オイ。なんなんだ急に、気持ち悪りぃ」


・:*三☆・:*三☆・:*三☆

【日常になりつつある非日常】

うちは兄弟が我が家に押し掛けてから130日が経過した。
次第に崩壊してゆく日常。そして非日常が日常へとすり替わり、オレはこの生活に違和感すら感じなくなり始めていた。

オレはオレ自身の適応力が恐ろしい!!

最早イズナとの口喧嘩もお手の物というやつだ。

「お前もうちょっと空気読めよ!」
「空気か。空気なら、組成としては…
窒素78.08%
酸素20.95%
アルゴン0.93%
二酸化炭素0.034%
ネオン0.0018%
ヘリウム0.00052%
屋内の循環気流は良好だが、ひとつ残念なお知らせがある。兄者がいま音もなく屁をしたせいで組成が変わり…」

「そんなモンききたくねぇーよ!!くっせぇーーー」

あぁ、今日も平和だ。


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