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千手家にうちは兄弟が転がり込み生活が苦しくなる話。
2chネタを交えつつ柱マダベースの小話



【始まりのシスプリ】

昔ゲーム屋で「シスタープリンセス」を指さしながら『これはどんなゲームなんだ?』と扉間が珍しく俺に尋ねてきたことがあった。俺は親切に『いきなり12人の妹が出来るゲームらしいぞ』と答えたのだが、その時の扉間の言葉が忘れられず今でも耳に残っている。

『そうか……生活が苦しくなるな……』

思えばこの瞬間から、運命は決まっていたのかもしれない。

『おいおい、全員面倒みるつもりかよ…』



【12人よりはマシだろう?】

「信じられないかもしれないが、紆余曲折の末、ヒカクに土地の権利書と、しこたま溜め込んでた俺の全財産を奪われた。
おまけに家に住みたきゃ家賃を払えとか法外な賃料請求されて、行くところがないからしばらく家に置いてくれ」

真夜中に千手邸を訪れたマダラはそう言うと勝手に家に上がりこんできた。
肝心な部分が説明されていないマダラの言葉に兄者は目を白黒させ驚いていたが、それはオレも同じだ。
いったい何があったのか…。

「紆余曲折ってなんぞ!?」

兄者の言葉に、マダラにくっていて家に上がりこんできたイズナが珍しく怒り心頭といった様子で口を開く。

「兄さん昼間に大喧嘩して木ノ葉の忍を辞めちゃったでしょ?その後ヒカクにその事を説教されて、ブチキレて『忍以外の職探す!』って大見得切っちゃったの。ところがヒカクのやつ…」

『忍を辞める!?つまり族長をお辞めになるということですか!
そうですか…わかりました。もう結構です!!
では、今すぐ族長宅から出て行ってください。次の家が決まるまででしたら家賃さえ支払っていただければ部屋はお貸しします。
それと、当然ですが、一族名義のお金はもう使えませんので悪しからず。土地の権利書も没収します。
早く忍以外のお仕事が見つかると良いですね、マダラさん!!』

とまぁ、売り言葉に買い言葉で収拾がつかない事態となったらしい。

「もう二度とあんな一族には戻ってやらん!!」

子供っぽく怒鳴り散らすマダラの様子から、要は兄弟喧嘩のようなものなのだと察しはつくが…。
実は里の創設以来、我が家も台所は火の車で、一族の貯蓄を切り崩して遣り繰りしている状態なのだ。
長きに渡る戦と、里創設のための資金はオレたちの懐を寒くするには十分過ぎるほど充分で、各家庭に給金を支払い終えれば、毎月オレたちの手元に残る金などたかが知れていた。
しかし能天気な兄者はそのことを分かっているのかいないのか…。

「なぜこの時期に二人も面倒をみなければならんのだ兄者!」
「ものは考えようぞ?もともと俺たちも四人兄弟だったのぞ!」

兄者のその一言はとても大きくオレの中に響き渡った。

そうだ。もし瓦間や板間が生きていれば、この家の住人は兄者とオレの二人きりではなく、四人だったのだ。苦しい生活だったとしても、それはきっと楽しいものだったに違いない。

(瓦間と板間のいる生活…)

オレの心は大きくぐらついた。一文無しのニートとその弟を受け入れそうになるオレを誰が責められるだろうか。

「仕方がないな…。まぁ、妹12人の面倒を見るよりは、マシだろうからな…仕方ないな」

オレの言葉にマダラは腕を組みながら嫌な笑みを浮かべ「その言葉を待っていたぞ、扉間ァアアア」と…!!!

まさか、何もかも計画通りだったとでもいうのか!??



【計画的犯行だった…】

うちは兄弟が我が家にやってきてから、オレの家事が格段に減った。オレが疲れて家に帰ってきても、台所から味噌汁のいい匂いがし、炊きたての白米が食卓に並ぶようになったのだ。
しかもメシはどれも美味く、日を追うごとにオレの出番は減っていった。

「この家には、もうオレの居場所はないのか!?オレは用済みなのか!?」
「大袈裟ぞ扉間〜。ガハハハ」

かつて台所はオレの聖域だった…。しかし今では割烹着姿のマダラが我が物顔で闊歩している。ショックだ…。
しかも日を追うごとにヤツは、その行動が「居候」から「押しかけ女房」へとシフトしていっているのだが!?

(おい…大丈夫なんだろうな、兄者!!)

激しく不安だ!



【弟】

木ノ葉の忍を辞め、我が家で引きニート生活をする、似非専業主婦マダラに台所を奪われたオレだったが、さらなるピンチがオレを待っていた。

ヤツがマダラとともに我が家にやってきてから、弟としてのオレの地位が脅かされているのだ!

ヤツの名は「イズナ」オレの永遠のライバルだッ

「兄者は弟のオレよりイズナの方が可愛いのか!?」
「そんなこと比べられんのぞ〜」
「今すぐ比べろ!!」

オレはその昔、確かに四人兄弟の次男だった。しかし今は兄一人、弟一人。

「オレが兄者の弟だ!オレだけが兄者の弟なのだ!!」
「わかった、わかった。落ち着くのぞ…正直怖い」
「兄者ァアアア!!!!」

正直にいおう。オレはブラコンだ…。



【ドーナツ事件】

すっかり兄者の嫁気取りなマダラが、茶請けにと買い置きしていたドーナツを、特に悪気なく食べ尽くしてやった。ムシャクシャして腹が減っていたのだ。
翌日、鼻歌交じりに兄者にドーナツを出そうと戸棚を開けたマダラが、「ドー〜はドーナツーの、ど・どうして…」と、床に崩れ墜ちる姿を目撃して少し胸が痛んだが、食ってしまったものは仕方がない。

「すまん…しかし後悔はしていない」
「とびらまぁあああ!!!!」

茶の間の一部が崩壊した…。



【毛布事件】

扉間が居間の机で突っ伏して寝ていたから毛布をかけてやった。ところが、扉間は俺の気配に気がつくと、なぜか怒り出すではないか。

「な、なんだ!なんのつもりだマダラ!」
「そのままだと風邪をひくと思ってな。毛布をかけてやったまでだが?」
「そうか…殺されるかと思った」

わかっちゃいたかが、扉間にまったく信用されていなかった。ショックだ…。
もう一緒に住み始めて20日も経つというのに。



【深夜の事件】

夜中にトイレに起きたら、砂嵐になっているテレビをBGMに、扉間が一人、居間で黙々と巻物を読んでいるのを見てしまった。
前から仕事のし過ぎで様子がおかしいとは思っていたが、まさかこれ程とは…。

「扉間、頭だいじょうぶ?テレビが砂嵐だよ」
「あぁ…イズナか。問題ない、早く寝ろ」

低く抑えた声と無駄に凛々しいその顔が、逆に哀れに思える。

「程々にね…」

翌日になって気がついたんだけど、実は扉間のやつAVを見ていて、僕が来たから慌てて消したため、ああなったことが判明した。馬鹿なやつ…。

居間のデッキに残されていたのは『お義姉さんの誘惑』という洋物AVだった。

義姉さんは、二世帯住宅で一緒に暮らしている兄者の奥さん。いつも優しくて可愛い義姉さんだけど、家族が不在の時に…

って、おいおいおいおぃいいいーー!!!!

「大丈夫だよねアイツ…」

僕は初めて自分のライバルの正気を疑ったのだった。



【二人の秘密】

部屋の蛍光灯を換えている最中、一人なのをいいことに「ブゥンブゥン」と蛍光灯をライトセーバーに見立てて振り回していた。
男なら一度は誰もが通る道だと信じている!!

するといつの間にかマダラが入口からこちらを見ているではないか!
羞恥と動揺で固まるオレに、やつは一言「どうした。心を乱すな。フォースの力を信じろ」と…!

意外と…イイ奴…なのかも…



【ドキッとした…】

さっきマダラが寝返りを打った時、『んっ…』と物凄く可愛い声を出していた。

ちょっと鳥肌が立った…。
いや、かなり鳥肌がたった。

心臓がイヤな意味で早鐘をうっている。

(まだドキドキしている…)

頼むから寝惚けてオレの布団に入ってきてくれるな!!!
兄者の部屋は隣だ!



【悪夢だ…】

珍しく夕刻に仕事が終わった。最近こんな日は、マダラに占領された聖地を取り戻すべく、積極的に夕飯を作るようにしている。
そして今日も仕事帰りに食材を買い込み、気合を入れて帰宅してみれば、マダラとイズナが脳天気そうに居間で寛ぎながら何事か話しこんでいるではないか。
気になって聞き耳を立ててみると…

「なぁイズナ、外でゴキブリを見てもそんなに怖くないのに、家にいるとなんであんなに怖いんだと思う?」
「それってアレでしょ。そのへんの見知らぬオッサンだってすれ違うだけなら怖くないけど、自分の部屋に居たら怖いでしょ?それと同じじゃない?」

(それ、まんまオレにとってのお前らだから!!)

戦場でも職場でも怖いけど、ぶっちゃけ家に帰ってもお前らがいるというこの状況に、オレはもう発狂しそうだ!

「お、帰ったか扉間」
「ねぇお腹減ったんだけど。今日は扉間が作るんでしょ?早くしてよ」

お前らは一体なんなんだ!!



【絶対に許さん!!!】

扉間と喧嘩して千手の家を飛び出した。
かといって他に行くあてもなく、暫くして帰ったら、「すまなかった」の手紙と共に、饅頭とコーラが置いてあった。

「扉間の野郎…」

意外と可愛いところもあるじゃねーか、そんな事を思いながら置かれていた饅頭を一口食べたら、中の餡は底のほうから抜き取られ、代わりに白米が入っていた。
驚いてコーラを飲んだら、次はコーラ風味の麺つゆと醤油のブレンドだった。

「扉間ァアアア…グゲフッ ゴホゴホ」

この借りは、いつか必ず返してやる!!フルフルニィイイイ



【オレオレ詐欺】

扉間から聞いたのだが、今日、俺が出かけてる間に俺から電話があったらしい。そう…オレオレ詐欺だ。

『友達に金を借りたんだが返せなくなってな…』
「お前、友達なんていたのか?」
『…あ?あぁ、おるぞ!』

こういう時ほんと良いよな、ボッチは。
扉間のやつ、すぐオレオレ詐欺だと気付いたらしい。

「ってゆーか、お前早くこの家から出てけ!!いつまで居るつもりだっ」
「おい。そんなことより、柱間はどこだ?朝から見かけないが…」
「兄者なら賭博場だ」

程なくしてオレオレ詐欺の犯人がわかった。

「馬鹿なことをするな!金ならいくらでも俺がくれてやる」
「マダラ〜、大好きぞぉ!!!」

「やめろ居候!兄者に渡す金があるなら食費を入れろッ」



【ストレスは溜まるが楽しい我が家】

徹夜明け、家に帰ると居間で兄者がぐーたら昼寝をしていた。さらにその隣では居候が我が物顔でテレビを見ながらくつろいでいる。

「よぉ、帰ったのか」
「あぁ…」

怠惰な二人を叱り付ける気力もなく、オレはのろのろと廊下を自室へと歩きながら「オレがしっかりしなきゃな…」と思うのだった。

この後、同じく徹夜明けのイズナが帰宅し、二人に雷が落ちたのは言うまでもない…。

「ちょっと!良い加減にしてよ二人とも!!!」



【ストレス太り】

「最近ぷにってないか?」と兄者にいわれ、久々に体重計に乗ったら5キロ太っていた…。
「ははは、5キロくらい」と思っていたが、風呂に入るとき自分の腹をみて認めざるをえなくなった。

「腹筋が割れていない…だと!?」

どう考えてもストレス太りだ!
しかし悲しいかな、あの二人はまだ家を出て行く様子がない。
溜息をつきつつ風呂にはいり、ふと「幸せ太り」という言葉が頭を過ぎったが…

「それはないな」

直様否定し、オレはマダラが用意した風呂に身を沈め深く息を吐き出すのだった。


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