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ブラコンを拗らせているイズナの話

僕はいつも兄さんを見ている。
いつだって兄さんだけを見てきた。
物心つく前から…、きっと赤ん坊の時から、目が開く前から、僕は兄さんだけを見ていたんだ。

きっとそう。

でなければ、僕がこんなに兄さんを好きなはずがない。
僕は兄さんを愛している。
愛しているのだ。


・:*三☆・:*三☆・:*三☆


ある人間がいった。
『ヒトは自分と遺伝的に近い相手に対し、他者よりも性的な魅力を感じるのだ』と。


僕と兄さんは似ている。一般的な兄弟よりも似ている。
それは、うちは一族が血継限界を維持するために血族間の婚姻を続けているからだ。だからどの兄弟も、みなよく似た顔をしている。
最早一族そのものが同じような特徴を備えているといってもいいだろう。容姿を見れば「うちは」と判るほどに、僕たちにはいくつかの決まった型がある。
だからだろうか…?
「うちは」は戦国のどの一族より、血族間の結束が固く、また兄弟間、親子間での結束も固かった。

このことは「うちは」が自分と遺伝的に近い人間に対して、強い思い入れを持つ一族であることを如実に示している。

つまり僕たちは自分の親族や自分自身に似た人物に惹き付けられずにはいられないのだ。
これは生まれながらに定められた「宿命」ともいえる。


・:*三☆・:*三☆・:*三☆


別の人間はこういっている。
『我々は自分自身の身体的特徴を思い起こさせる外見に魅力を感じるという本能的な構造を備えている。
近親相姦に対する文化的禁忌が存在するのは、このような原始的衝動に打ち勝つためだ』と。


僕は初めてこの言葉を耳にしたとき、笑ってしまった。
文化的禁忌だってさ。
つまりは社会を構成する大多数の人間は、本能の叫びに蓋をし、自らの魂の求めるものを捻じ曲げ、体裁を取り繕っているということじゃないか。
僕は兄さんが好きだ。愛している。

僕は絶対に、何があろうと、誰であろうと、兄さんを渡したりしない。

僕は自分の魂の叫びに蓋なんてしない。


・:*三☆・:*三☆・:*三☆


僕の中で生まれるすべての衝動は兄さんに帰結する。
兄さんに始まり、兄さんに終わるのだ。愛情も執着も、そして欲望すらも。

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